海辺の無添加手作り石けん工房 暇楽

糸島半島の中でも海に突き出た福の浦エリアにある白い一軒家が、暇楽の工房兼店舗だ。2003年にスタートした手作り石けん工房。創業当時からのファンも少なくないという。「自分たちができるだけを」、「私たちのこだわりが100%伝えられる範囲で」。ブレない確固たる思いを大切に、日々石けん作りをしている。

なぜ作家になったのか

「もともと石けん屋になろうとは思ってなかったですよ」と笑う、オーナーの前田さん。以前は福岡市内で美容系サロンを経営。多忙な日々を過ごす中、病が発覚した。糸島にはよく遊びに来ていたのだが、「空気のきれいな糸島で療養したら」というご主人の勧めをきっかけに、仕事を完全にやめて糸島・福の浦に移住することになった。
療養しながら、無農薬野菜作りや自然環境と向き合う日々。ある日、浄化槽では家庭排水で出る合成洗剤は浄化できないということを知った。「目の前に広がるこの美しい海を汚してしまうわけにはいかない!」と、石けんについて調べていると自分でも作れることが判明。色々と試行錯誤しながら作ったものを、ほしいという人にプレゼントしていたが、そのうち”注文”が入るように。そんな思わぬ流れで事業化することになった。

作品を通じて、日々の生活の中に”糸島”を

暇楽では、素材の持つそのままの性質やフレッシュさを損なうことがないように、熱を加えないコールドプロセス製法で作る。そのこだわりの製法は、大変な手間ひまがかかり、完成までに40日以上を要する。また、暇楽の製品には全て使用期限の記載がある。「石けんで使用期限があるのはすごく珍しいですよ」と、前田さん。化粧品類は通常3年以上品質が変わらないものは使用期限の表示義務はない。一方で、石けんのベースとなるオリーブオイルや米ぬか油などの油類も、時間の経過とともに酸化し劣化してしまう。そこで暇楽では、使用期限を設けたうえで大量生産をせずに、フレッシュな製品を消費者に届けている。暇楽が目指す高い品質を維持するためにも、今は月間2,000個程度の製造が限度という。その製品の価値を知っているファンはとても多い。

将来に向けて

長くお店を続けていると、「前にあったあれはないと?」と聞かれることもしばしば。いつも石けんを使ってくれて、「無いと困る!」というありがたい言葉もいただく。シーズンごとに入れ替える商品もあるが、多くは長い間愛されている定番商品。商業ベースには乗らない、流行を追わない、大事なのは「お客様が何を求めているか?」。そんなことを考えながら、無理せずに「自分たちができるだけを」。人と自然に優しい、丁寧な製品作りを続けていく。

工房・アトリエ・ギャラリー情報

営業時間:13:00~17:00
電話番号:092-328-1345
店 休 日:水・木(祝日営業)

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